ブログをご覧いただきありがとうございます。y.a(@atomrise60)と申します。
軽貨物事業で独立して10年目、色々な仕事を組み合わせて自由気ままに生きているフリーランス軽貨物ドライバーです。
2022年12月、Amazonが新たな配送プログラムとして「Amazon Hubデリバリーパートナープログラム」というサービスを発表しました。
この記事をお読みになっている方の中にはこの「Amazon Hubデリバリーパートナープログラム」というものを初めて見たり聞いたりしたという方や、小耳にはさんだことはあるけど、実際にどんな配送をしているのか興味があるという方がいらっしゃると思います。
他のAmazonの配送との違いや、Amazon Hubデリバリーパートナープログラムがどういうサービスなのかなど、アカウントの登録までの流れや実際に稼働して感じたメリットやデメリットなどを記事にしてみました。是非最後までご覧ください。
この記事で分かること
・Amazon Hubデリバリーパートナープログラムとはどんなものか
・登録までの流れ
・Amazon Hubデリバリーパートナープログラムに向く人、向かない人
目次
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムとは
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムとは地元のお店や企業が本業の空き時間やアイドルタイムなどの隙間時間を利用し、ご近所さんへ配達をしてその対価として副収入を得ることが出来るという配送プログラムです。
あらかじめこちらで設定しておいた曜日に事業所(自宅)や店舗に直接設定した数の荷物を持ってきてもらい、その品物をオーナーあるいはスタッフが都合のいい時間にお客様のもとへお届けします。
1日の配送スケジュールとしては以下の通りとなります。
1日の流れ
- 午前中に荷物が到着するのでスマホにて着荷作業(エリアによっては午前午後の2回届けてくれるエリアがある)
- 集荷処理をして配達開始、16時頃までに1周終わらせる(不在が無ければ終了)
- 不在があった場合、16時半以降を目安に時間指定や翌日以降の配送などステータスの変更があるか確認
- 夜指定や不在があればその時間に見て2周目の配送
稼働日数の目安は、最初は週2日位から始めて、端末操作や1日の流れに慣れてきたら週2日でも荷量を増やして対応したり、週3日~7日に増やして稼働していくような形になると思います。
あくまで「副業での稼働」というのがこのAmazon Hubデリバリーパートナープログラムのコンセプトなので、本業の忙しい日やハイシーズンはAmazon Hubデリバリーパートナープログラムをお休みして本業に専念する形を取ることも可能です。
配送手段は徒歩、自転車、125cc以下のバイク、営業ナンバーを取得したバイクor自動車での配送になります。徒歩以外の選択肢を選んだ場合、保険や車検証など必要書類を提出する必要があります。
保険について
自転車や125cc以下のバイクで稼働を考えている場合、業務中に起きた不測の事態にも対応してくれる保険に加入している必要があります。
面談の際に確認されますが、Amazon Hubデリバリーパートナープログラムでは通常の任意保険や自転車保険では配達業務を行うことは出来ません。
また、登録してない車両で業務をしていて万が一事故を起こしてしまった場合に補償されないという事態を防ぐためにも、必ず「業務中に対応してくれる保険」に入り稼働するようにしましょう。
軽貨物ドライバーがAmazon Hubデリバリーパートナープログラムで稼働する場合の考え方としては下記のように置き換えられるのではないでしょうか。
軽貨物ドライバーがAmazon Hubデリバリーパートナープログラムで稼働する場合
荷物の到着場所→自宅or事務所
配達場所→自宅or事務所の近く
隙間時間→定期orスポットの空き時間、フードデリバリーのアイドルタイム等
配送方法→徒歩or軽貨物
また、2023年2月現在の対象地域は東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の9都府県で、エリアは今後随時拡大していく見込みです。
※2024年5月現在、Amazon Hubデリバリーパートナープログラムのサービスが上記のエリア以外にも広がっています。 興味のある方は一度資料請求をして、自分の住むエリアが対象エリアか確認してみてください。
引用 Yahoo!ニュース Amazonが地域の中小企業に配達を依頼する「Amazon Hubデリバリーパートナープログラム」とは
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムの登録までの流れ
登録自体はそんなに難しいことはありません。必要書類も個人事業主であれば開業届けと身分証、車での配達を希望であれば車関係の書類と新たに取得する必要が無い書類ばかりでした。
資料請求から稼働開始までの簡単な流れを5ステップでまとめました。
資料請求から稼働までの流れ
- Amazon Hubデリバリーパートナープログラムのページから資料請求
- 面談の予約
- 契約
- アプリの使い方等の説明
- 稼働開始
稼働開始までの簡単な流れはこんな感じになります。私の場合はサービスがスタートしたばかりの2022年の年末に資料請求をして、面談等を行い実際に稼働するまで約1カ月でした。
年末年始を挟んだということもあり資料請求から登録、スタートまで約1カ月の時間がかかりましたが、通常の月でしたらもう少し早く稼働をスタート出来るのではないかと思います。
※2023年4月現在かなりの数の問い合わせがあるそうで、長いと面談日の決定まで1カ月以上かかるエリアもあるとのことです。
また荷物量や稼働している人の数で希望する個数や希望エリアでの配達が困難な場合があるそうです。
自分の希望するエリアで配送出来るか、また希望する個数がもらえるか面談後にこんなはずじゃ無かったとならないように必ず面談時に確認するようにしましょう。
エリアによって配達範囲の広さや単価が大きく違います。また、地域によっては軽貨物での配送のみを受け付けているエリアもあるので、こちらも面談の際に確認する必要があります。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラム資料請求はこちら
Amazon FlexとAmazon Hubデリバリーパートナープログラムの違い
今やギグワークの代表的存在とも言えるAmazon Flex、同じAmazonの品物の配送でも両者でいくつか違う点もあります。
実際に稼働してみて大きく違うと感じた点を4つ挙げてみます。
自宅や事務所が倉庫の代わりになる
Amazon Flexの配送というと拠点となる倉庫に集荷に行き、その後決められたエリアまで移動して配達開始となりますが、Amazon Hubデリバリーパートナープログラムの場合、自宅や事務所がその拠点という扱いになるので、トラックが拠点となる倉庫から自宅や事務所まで荷物を直接持ってきてくれて、その後荷受け作業をして自宅近辺のエリアへ配送するという流れになります。
スゲー、本当に家に来た(笑) pic.twitter.com/oBn2aWuLBu
— y.a@軽貨物時々自由人 (@atomrise60) January 31, 2023
渋滞に巻き込まれ着車時間に間に合うかどうか神経をすり減らしたり、集荷への行き帰りにかかっていた時間や経費を節約できます。
注意ポイント
トラックが持ってきた荷物は拠点の入り口で手渡しという形になります。拠点が一軒家であれば特に問題は無いですが、マンションやアパートの場合ですとエントランスでの受け渡しとなります。
上の方の階に拠点がある場合、そこから自分でバックを持ち運ばなくてはいけないので、バックの中身が重い物ばかりですと持ち運びに少し苦労するかもしれません。
時間給ではなく個建て
Amazon Flexとは違い、時間給ではなく個建てでの契約になるので配達完了をしないと売上になりません。
置き配がメインとなっているので大手宅配の様な不在の嵐というのはほぼないですが、極端な話、30個持ち出して30個不在で持ち戻った場合はその日の売上は0円となります。
また、閑散期は設定個数より荷物が少ない場合や荷無しの可能性もあります。こちらも同様に配った数での計算となるので、荷無しの場合はその日の売上は0円となります。
「1個当たりの単価」について気になる方も多いと思いますが、お住まいの地域によって違うかもしれないので、単価については面談の時に担当の方に確認して下さい。
実際に稼働してみて数十個の荷物だとAmazon Hubデリバリーパートナープログラム1本で生活していくのは少し難しいかなと感じます。あくまで副業や組み合わせの働き方という考えで立ち回るといいでしょう。
開始からある程度の期間が経ち実績を重ねていくと荷物の増量の打診を受ける場合があります。副業とはいえ、今の荷物量では物足りず、出来るだけ多くの荷物を配送したいと考えている場合はしっかり配送実績を作って荷物増量の相談をするといいでしょう。
東京23区など荷物が沢山あるエリアであれば上限がかなり高く設定されていますが、立ち上げたばかりのエリアであったり荷物量がそこまで多くないエリアですと上限が決まっているエリアもあるのでその辺りも注意が必要です。
配達以外にも作業がある
Amazon Flex同様配達がメインの仕事ではありますが、配達以外にもトラックからの荷物の受け取りと自宅での着荷作業、そしてバックや不在の荷物の管理や返却、不在票や置き配用カバーなど資材の発注というのも全て自分で行います。
不在再配達の対応
恐らく不在再配達の対応がAmazon Hubデリバリーパートナープログラム一番の懸念点になると思います。
Amazon Flexの場合拠点となる倉庫へ戻して業務終了でしたが、Amazon Hubデリバリーパートナープログラムの場合、連絡がない場合当日、翌日、翌々日と最長3日間に渡り訪問しないといけません。
またAmazonは16時まで当日の再配達の受付をしており、再配達の依頼が入ったらその指定の時間に配達しなければいけません。
なので最悪の場合、不在の荷物1個のために何度も不在周りをしたり、指定に向かったりしなければならないこともあるので、夜の時間帯に定期を持っている場合は再配達の絡みがあるので注意が必要です。
メリット | デメリット |
自宅まで荷物を持ってきてくれる | アマフレ、デリプロとの兼業は基本不可 |
経費がそこまでかからない | 大きく稼げない |
隙間時間を埋められる | 個建て |
自宅近く(土地勘がある所)を配れる | 不在再配達の対応 |
荷物量は自分で設定出来る | 荷無し場合がある(収入は無し) |
補足
令和4年10月より軽の乗用車でも構造変更無しで営業ナンバー(黒ナンバー)の取得が可能になりました。
Amazon Flexでは「荷室⻑、荷室⾼、荷室幅の合計が4,000mm以上のワンボックスタイプかそれと同等の車両」でかつ「最大積載量350kgの積載量を持つ貨物軽⾃動⾞」が必須となっていますが、Amazon Hubデリバリーパートナープログラムの場合そこまで大量の荷物を積むことは無いので、軽の乗用タイプでAmazon Flexに登録出来なかった方や、フードデリバリー以外の案件での稼働を考えていない場合は軽の乗用車を営業ナンバーにしての稼働も考えてもいいかと思います。
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あると便利なアイテム
車で荷物を配る場合は特に気にしなくてもいいですが、徒歩で配る場合はあると便利なアイテムがいくつかあります。
台車
普段軽貨物で仕事をしている方ならほとんどの方が持っていると思いますが、荷物が入ったバックをそのまま運搬するのであれば手で持ちながら運ぶというのは重さや大きさの面から考えても少々過酷だと思うので、台車に乗せて運ぶのが無難だと思います。
玄関先のちょっとした坂や、勾配のキツい地域での配達の場合はストッパー付きの台車だと勝手に転がっていかないので便利です。
腰袋(小物入れ)
以前不在票などをポケットに入れて配送していたところポケットから落ちて道路に散乱するという経験を何度もしたので、それ以来私は不在票や付箋、ボールペンをベルトに通すタイプの腰袋(小物入れ)に入れて配送しています。
スマホケース
こちらもほとんどの方が使用していると思いますが、自分のスマホを使用して業務を行うためスマホの操作の際に誤って落としてしまうことも多々あります。
画面割れや故障を防ぐためにも必ずスマホケースや画面保護シートは装備して稼働するようにしましょう。
持ち運び用の大容量の袋
徒歩や自転車で配達している方で台車を持っていない方の中には大容量の袋に荷物を入れて配っている方もいらっしゃるそうです。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムでの配送の場合、飲料や重量物は無く軽い荷物が中心のため、袋に入れて稼働した方が身軽に動けていいかもしれません。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムはどんな人に向くのか
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムはどんな人に向くか、実際に稼働してみてこんな人に合うだろうなというのを5点挙げてみます。
自分のペースでゆっくり働きたい人
隙間時間に近所を配送というコンセプトなのと、1日の配達個数は自分で選べるので、Amazon Flexやデリプロのように車パンパンに荷物を詰め込んで毎回違う場所への配送ということはありません。
16時頃を目安に1周すればいいので、午前中の定期が終わってからゆっくり稼働してもいいですし、昼過ぎに予定がある場合は午前中に1周終わらせてもいいと思います。
ただ上にも書きましたが、再配達のリスクがあるということ、倉庫の方でトラブルがあって出発が遅れた場合は荷物の着時間が遅くなるというリスクがあるということも忘れないようにしましょう。
柔軟な対応が出来る人
Amazonの配送に携わったことがある方なら分かると思いますが、配送のルールや時間指定などが結構変わったりします。
今では未配などはアカウント停止の対象になると思いますが、AmazonFlexスタート時は「8時間枠で持ち出し数十個」、「不在周り無し」、「未配で戻ってもOK」という今では信じられないような内容でした。
その都度変わるAmazonの配送ルールに従って配送するというのはかなり重要になってきます。
自分なりに意味を解釈してても実はAmazonの意図とは違っていて、ある日突然アカウント停止なんてことも普通に考えられるので、分からないことや不安に思うことは担当に聞いたりして対応するようにしましょう。
一度アカウント停止になってしまうと余程のことが無い限り2度とそのプログラムには参加できません。
アプリでの仕事が安定して取れなくてストレスを溜めている人
繁忙期やセールの時期はオファーが割増しで余っていることも多いですが、閑散期は基本オファー争奪戦となるので、希望のブロックが取れずストレスを溜めることも多いと思います。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムの場合、オファーの余りを確認したりスワイプ合戦に参加しなくても毎週決まった曜日に荷物が届くので、スマホを見てオファーの有無を気にしたり、希望のブロックが取れずストレスを溜めるということはありません。
ただ、毎回必ず荷物が決まった荷物量があるということでは無く、設定した地域の注文が少なかった場合はあらかじめ設定していた個数より少なく届いたり、荷物が届かなかったり(荷無し)ということもあります。
運動不足気味の人
車以外の配送も選択可能で、私は自宅から台車を押して徒歩で配送していますし、自転車で配送している方もよく見かけます。
配達範囲は地域によって異なりますが、都市部の場合自宅や事務所を中心として半径約1キロ圏内のエリアになるので、普段運転がメインであまり運動しない方や自宅での作業が多い方であればお金をもらいながら運動不足解消にも繋がります。
徒歩での稼働の場合を計測したところ、私は持ち出し30個、2時間弱の稼働で大体8,000歩~10,000歩ほど歩いていました。
11時にスタートして12時35分に1周終了💨
暖かかったから妻と散歩しながら配達してたんだけど、途中気付いたらベビーカーと台車の二刀流してた(笑)
そろそろ端末操作教えようかな😅 pic.twitter.com/OOY9NYwlPf
— y.a@軽貨物時々自由人 (@atomrise60) February 7, 2023
こんな感じで狭い配達範囲で少ない個数であれば天気のいい日に妻や子供と散歩しながらゆっくり配送することも可能です。
配送に興味がある個人事業主
配送には興味があるけどいきなり沢山の荷物を渡されるのはちょっと・・・という方にはスタートの目安が30個~50個と少量の荷物を目安としているので、配送の触りを経験するには大きな負担やプレッシャーも無く配送出来ると思います。
また、いきなり軽貨物事業に参戦すると考えると車を用意しなければいけないというリスクがありますが、Amazon Hubデリバリーパートナープログラムの場合は徒歩や自転車で配送出来るので、金銭的なリスクを負うことなく配送の経験をすることが出来ます。
もしAmazon Hubデリバリーパートナープログラムで配送の仕事を経験して、軽貨物事業に興味をお持ちになったらこちらの記事を是非参考にしてください。
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もし兼業をお考えの方はどちらか一方での配送になるということを覚えておきましょう。
会社員は参戦可能か
公式ページにも書かれていますがこのサービスはあくまでも「個人事業主や法人が隙間時間に配送する」をコンセプトにしているサービスなのでサラリーマンはメインで参加することは出来ません。
ただ考え方を変えて、自分じゃなく奥さまや知り合いが個人事業主をされていて、そのHubストアの従業員として従事することは可能かも知れません。
興味のある方は資料請求や面談の際に可能かどうか聞いてみるといいでしょう。
まとめ
この記事についてまとめてみました。
・副業にはピッタリの働き方
・経費がほとんどかからない
・手軽に配送を業務を経験出来る
配送の人員がだんだん減っていく状況で、副業というスタイルでも稼働可能なこのサービスは非常に画期的だと思いますし、他の事業も負けじと追従するようなことがあればもっと多様な働き方が出来るようになるので面白い取り組みではないかなと思います。
ただAmazon Hubデリバリーパートナープログラムはまだ新しく始まったばかりのサービスなので、今後色々な情報を吸い上げてこのプログラムの内容や情報が変わっていくかもしれません。
分かる範囲で随時更新していくのでまた是非ご覧いただければと思います。